
店舗設計デザイナーの山田です。
今回は、東京都江東区白河に新規出店した面積17坪の完全個室型美容室のデザイン事例をご紹介します。
工場跡地の物件に完全個室型の美容室を設計した事例をご紹介します。注目ポイントは、「工場跡地」から「美容室」を作る事と、17坪の面積に完全個室を5席レイアウトする点です!
限られたご予算の中で何に注意してデザインするのか、皆さんご存じでしょうか?
それでは、「工場跡地物件 × 美容室デザイン」をご紹介します。

nir(ニアー)
坪数:17坪
工事金額:984万
設計料:187万
合計:1,171万
東京都江東区白河に新規出店した17坪の美容室です。昔からある小さな工場や住宅が残る落ち着いたエリアです。
元工場跡地ということもあり、築年数が古くても天井高く都内では珍しい物件です。その為、17坪という面積でも広さを感じます。しかし、物件は工場跡地。外からの見栄えは、決して美容室などの店舗が入っているようには見えない外観です。
この閉鎖的な外観をうまく活用し、見せたい部分だけを計画的に見せるべく窓の位置と入口の位置を検証します。
住宅街の中で、たまたま自分だけのお店を見つけた様な出会いの感覚を生み出せるような外観になりました。
狭小面積を活かす設計デザインの工夫をご紹介

大きな梁の影が及ぼす影響への対策
「工場跡地」ということもあり天井が高い物件でした。
しかし、天井が高いものの、大きな梁が上下左右に行き交う構造の物件だった為、梁がライティングの邪魔をしてしまうことが懸念点でした。
梁を避けた位置に照明器具をつければ良いんじゃないの?
と、思いましたか?
実は、梁をよけて照明器具をレイアウトすると、セット面ごとに照明器具の位置や種類を変えなければならないのです。
その結果、各セット面で光環境が変わってしまうのです。
この様な物件の場合、通常の照明計画のまま進めてしまうと、セット面に邪魔な影ができてしまいとても使いづらくなります。
そこで、一般的に使われているスポットライトやダウンライトといった照明を補助照明として使い、作業性を考えた照明は別タイプの照明器具を使う計画をたてました。
また、照明器具の配置計画も考慮しながら個室のレイアウトを検証したのです。
その結果、作業面に影ができず、働きやすい光環境を確保した個室美容室を実現できました。セット面ごとに光環境が変わると、働く側にとてもストレスを与えてしまいます。
店内のどの場所でも、同じ作業環境を作り出す事がとても大切だと考えています。


限られた面積で個室5席を確保
17坪という面積だけでなく、L字型の間取りになっている物件では効率的にセット面を配置できないケースも多々あります。
セット面の数は、店舗の売り上げを大きく左右させるポイントです。
その為、私たちは出店者が希望するセット面の数を可能な限り実現するため、レイアウトだけでなく、工夫やアイディアも用いいてプランを検証します。
今回のケースでは、17坪の面積に個室のセット面を5席設けることが、オーナー様の求める理想の事業計画でした。
しかし、5席の個室をレイアウトするには部屋の広さや通路動線に無理が生じてしまいました。部屋の広さを確保すれば通路動線が作れなくなり、通路動線を確保すれば個室が5室作れないのです。
そこで、1つの個室を広く作り、MAX5席のセット面を使うことができるプランをご提案しました。
孤立した5室の個室が作れた訳ではありません。
しかし、使い方を工夫して5席をうまく活用していただけるお店が実現できました。

古い物件や、特殊な物件に美容室を作りたいなら私たちにご相談ください。
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